新規事業の立ち上げや会社設立において、当面の運転資金をいかにして確保するかが課題となります。必要資金のすべてを自己資金で賄えるケースは少ないことから、通常は第三者から融資を受けることになります。
しかしながら、創業間もない事業には実績がないことから、金融機関などから融資を得ることは容易なことではありません。ここでは、創業時における資金調達方法についてご紹介します。
公的金融機関の活用
一般的に融資というと銀行から借りるイメージが強いと思われますが、ほとんどの銀行(民間金融機関)は創業から3年経過していない会社や事業主については融資を受け付けていません。これは、会社や事業の実績がない(あるいは乏しい)ことから一般的な融資の審査基準に適合しないこと等によるものです。
そこで、新規事業の立ち上げや会社設立において多く利用されているのが、公的機関からの融資です。国が運営する金融機関である「日本政策金融公庫」の創業融資、自治体のあっせんを通じて金融機関が行う融資などは、事業実績がなくても事業計画に基づいた審査により融資が実行されており、公的な融資であることから比較的低利で融資を受けられるのが特徴です。
補助金・助成金の活用
補助金や助成金(以下、補助金等といいます。)は、国や地方公共団体に申請し、認定を受けることで給付が可能となる資金です。補助金等は給付の対象となる事業者や給付の要件が様々であることから、どのような補助金等が受けられるかを検討する必要があります。平成25年から平成26年にかけて国(経済産業省)による創業補助金等が公募されていましたが、今後、同様の補助金等の募集の有無についても留意しておくと良いでしょう。
公的な補助金等は申請までに期限が設けられており、また、予算枠を超える申請がある場合は途中で受付が終了となる場合もあることから、公募された場合には必要書類を速やかに作成・提出し、受理されることが求められます。補助金等の給付に万全を期すためにも税理士等の専門家に早期に相談し、サポートを受けることをおすすめします。
融資は信頼に繋がります
新たに設立した会社で実績も取引先もない場合、安定した会社経営を行ううえで資金力は重要な要素のひとつとなります。創業融資であっても外部の金融機関等からの借入れを意味していますので、金融機関等と取引がある会社として、対外的にも安心感を与えることができるでしょう。また、融資の返済を継続することは金融機関等から更なる信頼を得ることにも繋がりますので、将来の事業拡大に伴い資金需要が生じた場合でも新規融資に比べより柔軟に対応してもらえるでしょう。